第2回イスラーム世界の共生に関する研究会を開催しました

【日時】2020年7月12日(日)13:00~15:00
Zoom会議

【発表者・タイトル】
岡井宏文(共愛学園前橋国際大学)
「イスラーム団体の活動と『多文化共生』−宗教セクターによる社会支援を中心に」
子島進(東洋大学)
「現代日本における共生−福島の農業支援、ならびに大学・モスク交流の現場から」
 
【主催】
公益財団法人JFE21世紀財団「スーフィズムに基づくアジア型イスラームの共生思想とその実践」
公益財団法人三菱財団「イスラームの多文化共生の知恵―周縁イスラーム世界のスーフィズムに着目して」

【共催】
京都大学ケナン・リファーイー・スーフィズム研究センター(KR)、京都大学イスラーム地域研究センター(KIAS)、大学共同利用機関法人・人間文化研究機構(NIHU)京都大学拠点、科学研究費補助金・基盤研究(A)「イスラーム神秘主義の構造的理解-スーフィズム・タリーカ・聖者信仰複合現象の解明」

KIAS-KR Workshop: Middle Eastern and Islamic Studies in the East and the Westを開催しました

【Day and time】October 28 (Mon), 2019, 17:00-18:00

【Venue】Kyoto University, Main Campus, Research Building No. 2, 4th Floor, Lecture Room (AA401)

【Speakers and Titles】
TONAGA Yasushi (Kyoto University) “Middle Eastern and Islamic Studies in Japan”

Ondrej BERANEK (Czech Academy of Sciences) “Middle Eastern Studies in the Czech Republic”

Language: English

2019年度第2回KRセミナーを開催しました

2019年度第2回KRセミナー「セネガルにおけるスーフィズム・タリーカ・聖者信仰」を開催しました。

【日時】7月28日(日)午後2−6時
【場所】上智大学四谷キャンパス上智大学四谷キャンパス2号館6階2-603(総合グローバル学部会議室)

【発表者・タイトル】
池邉智基+末野孝典(ともに京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・院生)「セネガルにおけるスーフィズム・タリーカ・聖者信仰に関する概況」

池邉智基「ムリッド教団の信徒による「献金 addiya」をめぐる推論過程―托鉢と説教の場に着目して―」

末野孝典「イブン・アジーバの存在一性論理解―カブダの語に着目して―」

【研究会の報告書】

2019年7月28日、上智大学研究機構イスラーム研究センター、京都大学イスラーム地域研究センター、科学研究費補助金(基盤研究(A))「イスラームおよびキリスト教の聖者・聖遺物崇敬の人類学的研究」、科学研究費補助金(基盤研究(A))「イスラーム神秘主義の構造的理解:スーフィズム・タリーカ・聖者信仰複合現象の解明」および京都大学ケナン・リファーイー・スーフィズム研究センター主催によるスーフィズム・聖者信仰研究会が開催された。参加者は20名弱を数えた。

【概説】「セネガルのスーフィズム、タリーカ、聖者信仰に関する概況」
冒頭、本日の研究発表者でもある池邉智基、末野孝典両氏から、9月実施予定のセネガルでの共同調査準備を兼ねた概説の時間が取られ、活発な質疑応答がなされた。

【第1報告】
報告者:池邉智基(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
題 目:「ムリッド教団の信徒による「献金 addiya」をめぐる推論過程:托鉢と説教の場に着目して」

池邉氏はセネガルのスーフィズム教団であるムリッド教団において「バイファル」と呼ばれ、礼拝や断食をせず、労働をすることを重んじる一派について発表を行った。具体的には、路上での托鉢の声掛けや、犠牲祭などで献金を募り、教団の歴史を語る行為を通じて、どのように指導者のメッセージが伝達され、信徒らによる献金等の行為が理由づけられるかに注目した発表であった。とくに、その場での語りの分析を中心に据えることで、托鉢や説教の場において言説伝統として献金をめぐる行為が理由付けられ、競技場に明言されない「労働の教義」が人々に内在化される様子を描き出す可能性が示された。これに対して、質疑応答においてはtravailに「労働」という訳語を当てることによって研究者の教義理解が限定的になってきた可能性が指摘された他、アサドに由来する言説伝統概念を語りの分析に援用することについて主に人類学者から多様な意見が出された。

【第2報告】
報告者:末野孝典(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
題 目:「イブン・アジーバの存在一性論理解:カブダの語に着目して」

末野氏は、イブン・アラビー学派の思想的広がりを俯瞰する研究の一環として、先行研究の空隙となっている近現代の北アフリカ、西アフリカに注目する研究を進めるべく、イブン・アジーバの「カブダ(一握り)」概念の用法に着目して発表を行った。イブン・アジーバは、18~19世紀モロッコのスーフィー思想家であり、セネガルを含む北・西アフリカのイスラーム知識人に影響を及ぼした人物である。まず、末野氏はイブン・アジーバの宇宙論において、イブン・アラビー学派に一般的な五層構造論ではなく、マッキーやガザーリーらの提示した三層構造論を援用したことを示した。次いで、イブン・アラビーの存在一性論は絶対一者の存在とそれ以外の被造物、また両者をつなぐ「第三のもの」という概念からなり、クルアーンにおいて被造物の始終極点を担う語として用いられる「カブダ」は、絶対一者であるアッラーが自身以外のすべての被造物を生み出す始源の場であり「第三のもの」であると解釈される点を確認した。最後に、イブン・アジーバは、アッラーが「一握りよ、ムハンマドとなれ」と命令を下すことで、最も完全な存在者であるムハンマドがあらゆる被造物の存在原型として現れるという意味で「ムハンマド的一握り」という概念を用いており、これが絶対一者と被造物をつなぐ「第三のもの」として機能する術語であることに、イブン・アラビーの思想との連続性を見出すことができるとの主張がなされた。発表に対してはイブン・アジーバの用いる諸概念の確認を始めとして、思想研究者を中心に諸種の質問やコメントがなされた他、「イブン・アラビー学派」という概念についても検討が加えられた。

(文責:内山智絵・上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士後期課程)

2019年度第1回KRセミナーを開催しました

【日時】2019年7月7日(日) 13:30~17:30
【場所】上智大学四谷キャンパス 2号館6階2-603(総合グローバル学部会議室)

【プログラム】
赤堀雅幸(上智大学) 「趣旨説明」
私市正年(順天堂大学) 「イスラーム聖者の概念の多様性と展開:マグリブ史の文脈から」
赤堀雅幸(上智大学) 「イスラーム聖者崇敬研究の目配りと見通し」
小牧幸代(高崎経済大学) 「イスラームにおける聖遺物崇敬研究の理論化に向けて」
藤原久仁子(甲子園大学) 「カトリックにおける聖人崇敬研究の射程」

【主催】

科学研究費補助金・基盤研究(A)「イスラーム神秘主義の構造的理解-スーフ

ィズム・タリーカ・聖者信仰複合現象の解明」

科学研究費補助金・基盤研究(A)「イスラームおよびキリスト教の聖者・聖遺

物崇敬の人類学的研究」

上智大学イスラーム研究センター(「現代中東地域研究」上智大学拠点)

京都大学イスラーム地域研究センター(「現代中東地域研究」京都大学拠点)

京都大学ケナン・リファーイー・スーフィズム研究センター

タリーカ論研究会

タリーカ論研究会を下記の通り開催いたしました。

【日時】2019年3月17日(日)13:00-18:00
【場所】上智大学四谷キャンパス 2号館6階2-603(総合グローバル学部会議室)
【発表者・タイトル】
井上貴恵(お茶の水女子大学)「スーフィー教団における教義の継承」
今松泰(京都大学)「アナトリアにおけるタリーカ」中西竜也(京都大学)「中国におけるタリーカ(門宦)」
高橋圭(上智大学)「近代エジプトおよび現代アメリカにおけるタリーカ」
丸山大介「研究史に見るタリーカ概念-スーダンを事例として」

2018年度第5回KRセミナーを開催しました

 

【日時】2019年3月13日(水)15時~18時

【場所】京都大学吉田キャンパス本部構内総合研究2号館4階会議室(AA447)

【発表者・タイトル】Carl ERNST (ノースカロライナ大学) “Poetry, Scripted Meditation, and Creation Narrative : Sufi Additions to the Yoga Practices in The Ocean of Life.”

【発表者・タイトル】Fabrizio SPEZIALE(フランス社会科学高等研究院)”Yogis, Persianate alchemy and medicine in South Asia”

【発表者・タイトル】Somdev VASUDEVA(京都大学)“Systems of Wheels (cakra), Lotuses (padma) and Circles (maṇḍalas) in Esoteric Śaiva and Śākta Yoga”

【共催】京都大学ケナン・リファーイー・スーフィズム研究センター(KR)、京都大学イスラーム地域研究センター(KIAS)、大学共同利用機関法人・人間文化研究機構(NIHU)京都大学拠点、上智大学イスラーム研究センター(SIAS)、大学共同利用機関法人・人間文化研究機構(NIHU)上智大学拠点、京都大学南アジア研究センター(KINDAS)、科学研究費補助金・基盤研究(A)「イスラーム神秘主義の構造的理解-スーフィズム・タリーカ・聖者信仰複合現象の解明」、科学研究費補助金・基盤研究(B)「地中海周辺地域における聖者・聖遺物崇敬の人類学的研究」

2018年12月23日 第二回地中海研究機関アジア連合(AFOMEDI2018)国際シンポジウムを開催しました

 

【Date and Time】 9:00-18:25, on 23 Decemeber 2018

【Venue】Inamori Foundation Memorial Hall, Faculty of Pharmaceutical Sciences Campus, Kyoto University

【Language】English

【Program】

10:00-12:00  SESSION 1 “HISTORY AND PROSPECTUS OF THE MEDITERRANEAN STUDIES”

TAKAYAMA Hiroshi (Tokyo University) “Mediterranean Studies in Japan and My Research Focus”

 

CHOI Choon-Sik (Busan University of Foreign Studies) “Discourses on Mediterranean Studies in Korea”

Elena AVRAMIDOU (Peking University) “From the Mediterranean to Asia: Cultural Interaction and Buddhist Iconography”

Gen “Toby” LIANG (The Institute of History and Philology of Academia Sinica) “Migrations and Transmissions: Mediterranean Studies and East Asia”

 

12:00-12:30 “CORE TIME OF THE POSTER SESSION”

TONAGA Yasushi (Kyoto University) “The Choice of Languages in the Ottoman Sufism”

FUJII Chiaki (Kyoto University) “Positive Aspects of the Existence of Spirits: Case Studies on the East African Coast”

MATSUDA Kazunori (Kyoto University) “Comparison of the Sources of Urdu Fatwa Collections from the First Half of the 20th Century”

ISHIKAWA Kido (Kyoto University) “Persian Literature and ʿAṭṭār”

YAMAZAKI Satoru “An Esoteric Sect or the Twelvers?: A Question of Identity of Contemporary ‘Alawīs”

MADONO Kotoko (Kyoto University) “The Expanded Circle of Modern Sufis in Turkey”

SUENO Takanori (Kyoto University) “The Meaning of Studying Akbarian Tradition in North and West Africa”

MIZUNO Yuji (Kyoto University) “The Making of “Conservative Turn” in Contemporary Muslim Indonesia: An Institutional Perspective”

TANAHASHI Yukari (Kyoto University) “Muḥammad Sulaymān al-Jazūlī and his Works”

 

14:00-16:00 SIMULTANEOUS SESSION 2 “DEEP INSIGHT AND SOCIAL WELFARE IN THE MEDITERRANEAN WORLD”

OTSUKI Yasuhiro (Hitotsubashi University) “Civil Donations and Christian Philanthropy in the Later Roman Empire: Some Analysis of Justinian Edicts on Donations to the Ecclesiastical Institutions”

KOJIMA Yoshie (Waseda University) “Representations of Sin and Penance in the Romanesque Cathedrals of Italy”

MOZAFARI Mohammad Hassan (Busan University of Foreign Studies) “Exchange of Mystical Thoughts between Persian and Andalusian Scholars”

14:00-16:00 SIMULTANEOUS SESSION 3 “FRICTION AND PEACE IN THE MEDITERRANEAN WORLD”

Byoung Joo HAH (Busan University of Foreign Studies) “Conceptualizing Arab Identity in Area Studies Frame”

Mona Farouk Mohamed AHMED (Busan University of Foreign Studies) “Concepts of Conquest and Occupation: Different Views on Muslim Rule in the Iberian Peninsula”

TOBA Misuzu (Kwansei Gakuin University) “The War of Memories and Pieds-Noirs Diversity: French Cartoonist Jacques Ferrandez

and His Pluralist Vision”

AOYAGI Etsuko (Tsukuba University) “The Coexistence of Islam with Western Europe”

 

16:15-18:15 SESSION 4 “AREA INFORMATICS AND AREA STUDIES”

YAKOU Hisashi (Hokkaido University) “Mediterranean Landscape Reconsidered”

KISHI Toshihiko (Kyoto University) “East Asian Visual Studies in Creating a Digital Database”

YANAGISAWA Masayuki (Kyoto University) “Text Analysis and Visualization of Field Notes Data”

Sang Ho MOON (Busan University of Foreign Studies) “Research Trend Analysis of Area Studies based on Keywords”

* This conference was financially supported by The Center for the Promotion of Interdisciplinary Education and Research in Kyoto University (C-PIER), and organized under the auspices of the following institutions:

Asian Federation of Mediterranean Studies Institutes (AFOMEDI), Center for Islamic Area Studies in Kyoto University (KIAS), National Institutes for the Humanities (NIHU) Area Studies Project for the Modern Middle East, and Kenan Rifai Center for Sufi Studies (Kyoto University)

SIAS/KIAS-CNRS Joint Seminar 2019 を開催しました

SIAS/KIAS-CNRS Joint Seminar 2019 “Sufism, Sufi Orders and Saints from the Middle East to Asia”を下記の通り開催いたしました。

【日時】2019年3月2日(土)9:30-17:00
【場所】Amphi 3, Institut national des langues et civilisations orientales INALCO, Paris
【プログラム】
Opening:
TONAGA Yasushi (ASAFAS, Kyoto University) and Pierre-Jean LUIZARD (CNRS-GSRL/EPHE-PSL)

1. Sufi Orders in the Indian Subcontinent (Chair: TONAGA Y.)
NINOMIYA Ayako (Aoyama Gakuin University), Tension, Emotion and Devotion: Master-Disciple Relationships and Consolidation of Medieval India

Discussant: Alexandre PAPAS (CNRS-CETOBAC/EHESS-PSL)

Muhammad TOUSEEF (Doctorant EPHE/EHESS), The Sufi Ritual of Sama`: A New Perspective by the Chishti Master Khwaja `Ubaydullah Multani (d. 1888)

Discussant: NINOMIYA Ayako

2. Sufism and Reformism (Chair: NINOMIYA A.)
11:15 YAMAZAKI Satoru (Doctorant Kyoto University), Between Secrecy and Orthodoxy: Tradition and Reform among Contemporary `Alawis

Discussant: Thierry ZARCONE

Ayse AKYÜREK (Doctorant EPHE), The Reinventions of the Mevlevi Sema frim 1954 to the Present Day

Discussant: TONAGA Yasushi

3. Saint Veneration in Turkey and in the Middle East (Chair: A. PAPAS)
Samuel VERLEY (Masterant EHESS), al-Khidr in the Turkish Alawi Cult of the Saints

Discussant: TONAGA Yasushi

KONDO Fumiya (Doctorant Sophia University), The Mawlid of Abu al-Hajjaj and Other Mawlids: A Comparative Analysis

Discussant: Pierre-Jean LUIZARD

MADONO Kotoko (Doctorant Kyoto University), Niyazi-i Misri’s Time Theory Based on the Unity of Existence

Discussant: Thierry ZARCONE

General Remarks and Closing:
NINOMIYA Ayako; Alexandre PAPAs; Thierry ZARCONE

2018年度第4回KRセミナーShahzad Bashir先生講演会を開催しました

【日時】2018年12月11日(火)16時~18時

【場所】京都大学吉田キャンパス本部構内総合研究2号館4階第一講義室(AA401)

【発表者】Shahzad Bashir (ブラウン大学)

【タイトル】“Journeys among the Living Dead of Tabriz: A Sufi Shrine Guide from the Sixteenth Century”

【共催】科学研究費補助金・基盤研究(A)「イスラーム国家の王権と正統性」、京都大学ケナン・リファーイー・スーフィズム研究センター(KR)、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所中東イスラーム研究拠点(MEIS)、京都大学イスラーム地域研究センター(KIAS)、上智大学イスラーム研究センター(SIAS)、科学研究費補助金・基盤研究(A)「イスラーム神秘主義の構造的理解-スーフィズム・タリーカ・聖者信仰複合現象の解明」、科学研究費補助金・基盤研究(B)「地中海周辺地域における聖者・聖遺物崇敬の人類学的研究」

2018年度第3回KRセミナーNile Green先生講演会を開催しました

【日時】018年12月6日(木)15時~17時

【場所】京都大学吉田キャンパス本部構内総合研究2号館4階第一講義室(AA401)

【発表者・タイトル】Nile GREEN (カルフォルニア大学ロサンゼルス校) “From Sufi Establishment to Salafi Reform: Reflections on Writing a History of Sufism”

 

【共催】京都大学ケナン・リファーイー・スーフィズム研究センター(KR)、京都大学イスラーム地域研究センター(KIAS)、上智大学イスラーム研究センター(SIAS)、科学研究費補助金・基盤研究(A)「イスラーム神秘主義の構造的理解-スーフィズム・タリーカ・聖者信仰複合現象の解明」、科学研究費補助金・基盤研究(B)「地中海周辺地域における聖者・聖遺物崇敬の人類学的研究」